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平成20年度決算

平成20年度 基金決算のお知らせ

 当基金の第70回代議員会が去る9月11日に開催され、平成20年度決算について審議が行われ可決・承認されましたので、その概要をお知らせします。
 平成20年度の年金経理における資産運用は、前年度に引き続きマイナスの利回りとなり、基金全体の修正総合利回り(時価ベース)はマイナス21.95%と大変厳しい結果となりました。これは、アメリカが震源地となったサブプライム問題や証券会社のリーマンブラザーズの経営破綻を引き金として世界中が金融危機に陥ったことにより、安全資産への回避が起き、リスク資産からの資金の流出が起きました。
 このため、世界的に株安が発生し、日本の株式も大きく売られ、約35%のマイナスとなったことや外国株も大きなマイナスとなったことが主な要因となったものです。
 資産別では、国内の債券が若干のプラス収益率であったものの、外国債券がマイナス7.17%、国内株式がマイナス34.78%、外国株式がマイナス43.32%であったことがマイナス利回りの大きな要因となっています。
 この結果、当年度不足金が約105億円発生し、平成19年度までの繰越不足金約65億円を合わせて、平成20年度末の繰越不足金は約170億円となりました。
 このため、現行の財政運営基準では、継続基準・非継続基準に抵触するため、掛金の引上げが必要となります。これは、当基金だけではなく、全国の厚生年金基金の約8割が継続基準に、約9割が非継続基準に抵触したといわれており、このままでは、企業年金の廃止論議を引き起こし、年金受給権を守れないことにつながる可能性があります。そこで、企業年金連合会等では、「企業年金の財政運営等に係る緊急対策要望事項」等(基金だより第75号参照)を厚生労働省に対し要望しました。これに対し、厚生労働省からは、「厚生年金基金の財政運営についての一部改正等について」(平成21年7月10日付)が出されました。その内容は、次のとおりです。
〈1〉掛金対応の猶予
 毎年度の財政検証に基づく掛金の適用については、平成22年4月1日から平成24年3月31日までの間に掛金の引上げが必要となる厚生年金基金は、「長期運営計画」を行政当局に提出することにより、当該掛金の引上げを実施しないことができる。
〈2〉下方回廊方式の導入
 解消すべき不足金は、許容繰越不足金を上回る部分とすることができる。(掛金引上げ幅の抑制となる)
 ただし、財政再計算時には適用しない。
〈3〉最低責任準備金の期ズレ解消
 厚生年金基金の最低責任準備金の算定に用いる利率については、現行の基準では厚生年金本体の運用利回りが確定した後に、この利回りが遅れて最低責任準備金付利しており、最大1年9ヶ月のタイムラグが生じている。この最低責任準備金の付利利率をタイムラグなしとして計算し直したところ、平成20年度末で累計では約15%最低責任準備金の額が大きく計算されており、結果として基金の不足金が大きくなっている。今後は継続基準の財政検証においてこの期ズレ部分を解消し、従来の最低責任準備金との差額を「調整金」として、みなし資産計上する。これにより不足金額が減り、掛金引上幅が抑えられる。
 この財政運営基準の緩和措置を適用したことによる当基金の積立水準の検証結果は、下欄のとおりです。
 
積立水準の検証
1 現行の財政運営基準による検証結果
 基金では財政の健全性をチェックするために、年金資産の積立水準の検証を毎年行っています。積立水準の検証は、基金が今後も継続していくことを前提に、積立が計画通り行われているかどうかについて検証する「継続基準」と、基金が解散するとした場合、加入員や受給者の資産が確保されているかどうかについて検証する「非継続基準」の2つの基準によって行います。
 平成20年度の決算は,資産の評価方法を時価方式(剰余分も不足分も総て決算時に使用する方式)で検証したところ、「継続基準」及び「非継続基準」とも基準値を下回る結果となりました。
積立水準の検証
2 財政運営基準の緩和措置を適用したことによる財政検証結果
 前記財政運営基準の緩和措置を適用し、また、資産の評価方法を時価から数理的評価に変更して再度検証したところ、次のとおり継続基準はクリアしましたが、非継続基準は抵触しているため、回復計画を新たに作成して検証したところ、今後10年以内には非継続基準をクリアできる見込みとなりました。これにより、当基金は平成20年度決算では掛金の引上げは回避できることとなりました。
積立水準の検証
年金経理
損益計算書(平成20年4月1日〜平成21年3月31日) (単位:円)
1.経常収支
費用勘定 収益勘定
科目 決算額 科目 決算額
給付費 2,732,431,906 掛金等収入 2,830,998,708
移換金 150,975,005 受換金 14,288,874
制度間移換金 476,500 政府負担金 154,237,983
離婚分割移換金 11,552,471 運用収益 0
拠出金

951,425

   
固有の信託報酬・保険事務費・投資顧問料及び保護預かり手数料 124,213,190    
業務委託費 34,507,327    
指定年金数理人費 840,000  
運用損失 9,716,413,074  
12,772,360,898 2,999,525,565
2.特別収支
収益計上超過額 0 費用計上超過額 0
業務会計への繰入金 0 業務会計からの受入金 24,913,298
0
24,913,298
3.数理的評価の変動
数理債務増加額 673.751.000 最低責任準備金
減少額
128,574,000
特別掛金収入現価減少額 206,342,000 特別掛金収入現価増加額 0
880,093,000 128,574,000
4.基本金及び総合計
繰越不足金処理金 0 別途積立金取崩金 0
当年度剰余金 0 当年度不足金 10,499,441,035
0 10,499,441,035
総合計 13,652,453,898 総合計 13,652,453,898
貸借対照表(平成21年3月31日現在) (単位:円)
1.純資産
資産勘定 負債勘定
科目 決算額 科目 決算額
流動資産 471,373,897 流動負債 73,106,535
固定資産 34,207,931,319 支払備金 707,006,491
34,679,305,216 780,113,026
2.資産及び負債の数理的評価
特別掛金収入現価 3,923,847,000 数理債務 15,552,874,000
    最低責任準備金 39,263,823,000
3,923,847,000 54,816,697,000
3.基本金
繰越不足金 6,494,216,775 別途積立金 0
当年度不足金 10,499,441,035 当年度剰余金 0
16,993,657,810 0
総合計 55,596,810,026 総合計 55,596,810,026
剰余金の処分または不足金の処理(平成20年度)
繰越不足金(1) 当年度不足金(2) 翌年度繰越額(1)+(2)
6,494,216,775円 10,499,441,035円 ▲16,993,657,810円
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